体の不調の原因は咬み合わせ? チェックしてみましょう
- 頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、首の痛みがある
- 顎の関節が痛い、顎の関節の音がなる、口が開けにくいことがある
- 咀嚼しにくい、飲み込みにくい、顔が曲がっているように感じる
- 歯を噛みしめていることがある、歯ぎしりをする
- 歯が削れている、歯が傾いている、歯が動く
咬み合わせ
「右足を出して、次は左足を出して…」などと意識して歩く人はいません。誰もが無意識のうちにリズムよく足を動かしています。
口を動かすのも同じこと。食事をするときには、口の中の状況を瞬時に判断しながら、神経から指令が出るのです。
しかし、筋肉や関節は悪い意味でも順応性があります。たとえば、左右の足に高さの違う靴を履いても、気になりますが歩けます。でも、そのまま暫く続けていると、足や腰、身体全体に違和感が出てくるでしょう。口も同じなのです。
歯の位置が異常であったり、つくった修復物が合わなかったりしても、そこで咬むことはできます。ただ、長期的にその状態が続けば…。結果はおわかりですね。
歯の状態によっては、顎は位置を変えてしまい、歪みを生じます。その歪みは筋肉に伝わり、首や肩、耳などに影響を及ぼし、異常を引き起こします。
ということは、咬み合わせを治療することで、顎や身体の異常を解消する可能性が出てきます。一度、歯の状態を再確認してみましょう。
顎関節症
顎関節症とは
咬み合わせの異常で、代表的なものが「顎関節症」です。日本語のイメージからは、関節の病気とイメージしがちですが、多くは顎の位置が異常になることにより、関節の痛みや開閉口時の音、顎周囲の筋肉の痛み、開閉がしにくいなどを主な症状とする疾患です。原因をしっかり確認して、対策を講じる必要があります。
症状
顎が痛む/口を空けられない(開口障害)/顎を動かすと音が鳴る(関節雑音)/違和感がある/頭痛/肩こりなど身体の痛み/めまいや耳鳴り など
痛みがある場合
応急処置として、お薬を飲んでいただくこともあります。筋肉の問題ならば、筋肉をほぐす治療(マイオモニター=電気刺激で筋肉をリラックスさせる装置)を行います。
日常の行動に問題がある場合は、その改善を行っていただきます(食事以外はできるだけ上下の歯と歯を離すよう心がけ、頬杖や寝るときの姿勢の改善を指導します)。顎の筋肉のストレッチを行っていただきます。
咬み合わせの治療
必要に応じて、オーソシス(咬み合わせを修正するマウスピース)を使用したり、全体的な歯の治療を行います。
外科治療
顎関節はとても繊細な組織であるため、治療が難しく術後の後遺症も多くみられます。当院では咬み合わせなどを入念に確認し、歯や筋肉の状態を改善することから始めます。
治療の流れ
1検査
治療には情報収集が必要です。的確で迅速な治療が行えるように、レントゲン撮影や歯の状態の検査、咀嚼に関わる筋肉の検査など、必要となる検査を十分に行います。
当院では、見た目だけでは判断しにくい顎の動きや筋肉の状態なども、コンピューターを利用し検査し記録します。
1 写真撮影
治療中の変化を客観的に比較するために、必要な記録となります。
2 審美状態の検査
咬み合わせが悪い場合、審美的にも異常な場合がほとんどです。より理想的な審美状態に近づけるために、検査が必要です。
3 コンピューター検査
A)顎の動きの検査
咬み合わせが悪いと異常な顎の動き方になります。目で見るだけでは判別しにくいものを、センサーにより記録します。いろいろな動きを行い、咬み合わせの状態を診査します。
B)筋肉の状態の検査
咬み合わせが悪いと、顎の周囲の筋肉に異常が起こり、頭痛や肩こりの原因になります。また、症状として出てこない場合でも、筋肉が異常な状態にあることもあります。いろいろな動きにおける筋肉の状態を診査します。
C)神経や筋肉のリラクセーション
咬み合わせが悪いと、知らない間に顎の周囲の神経や筋肉に異常な状態をもたらします。周囲に低周波電気刺激を流すことにより、リラックスした正常な状態に戻します。
4 咬み合わせの記録
上顎と頭の位置関係の記録や上下の歯の咬み合わせの記録を取ります。上下の歯並びの歯型を取り、模型をつくります。
2診断・コンサルテーション
悪い咬み合わせを修正するための治療方法を相談します。検査のデータをもとに理想的な歯並びをシミュレーションし、わかりやすく説明します。
治療範囲・費用・期間などを決定し、審美的にも機能的にもよい状態をつくるために治療を始めます。
3治療
治療スケジュールに添って治療を行います。
1 プロビジョナルレストレーション(仮歯)作製~修正
咬み合わせを修正する歯にプラスチックの歯を作製します。削ったり足したりして調整し、必要ならば新しくつくり直しながら、最適な咬み合わせに修正します。
2 咬み合わせの確認
最初の検査と同じ内容で検査を行い、比較検討しながら、審美的にも機能的にも理想的な咬み合わせになっていることを確認します。
4修復物作製・装着・メインテナンス
1. 修復物の作製・装着
修復物を作製し、歯に接着します。咬み合わせの修正は、長い時間をかけて修正し、検討を加えてきたのですから、最終的に修復物を作製するときには、きちんとつくられなければ意味がありません。
当院では、高度な技術を持つ専任の歯科技工士、咬み合わせ調整を専門に行う歯科医師など、それぞれのプロフェッショナルが患者さまをサポートします。
2 咬み合わせの確認・検査
最終的に完成した後も、その状態が理想的であるかを検査しなければいけません。最初の検査と同じ内容で検査を行い、審美状態や顎の動きや筋肉の状態の確認を行います。
3 メインテナンス
歯や歯肉のメインテナンスだけでなく、咬み合わせの確認も必要です。定期的に確認し、再び問題が起こらないようにする必要があります。
咬み合わせ治療症例
治療前
治療中
治療後
咬み合わせ治療のメインテナンス
咬み合わせは少しずつ変化していきます。できるだけ安定した状態を確認した後、最終治療に進むことにしていますが、それでも咬み合わせの変化は起こるものです。
自覚できない小さな変化を早期に発見し、微調整することで、問題の表面化を避けることができます。自覚できない潜在している問題の早期発見にもつながりますので、違和感がなくても定期的にチェックすることはとても重要です。